研究成果

IoT( Internet of Things)

活動報告写真


 これは、1998年から2002年まで活動したCRL(通信総合研究所)次世代インターネットグループの研究成果の一つである"インターネットコ ントロールカー"(インターネットを介してリモートコントロールして「運転」することのできる自動車のモデル)です。
 当時のインターネット研究ではブロードバンド化(広帯域化)によってリアルタイム(低遅延)での動画像伝送が可能となり”目”が伝送できるように なり(DVTS:小川、杉浦ら)いよいよ動き出せることを示そうとCRL-NGIのメンバーであった中川らが提案、木俵、篠宮らが実装しました。(この他、彼らはインターネットを介してリモートコントロールできる顕微鏡の開発にも成功しました。)
 当時、東京大学その他でも同様の「リモコン」は開発されつつありましたが、このモデルの斬新だったのは、従来行われてきたモバイルパーソナルコン ピュータを介してカメラや制御用のインターフェイスをつなぐ方式ではなく、LANそのものを「コントロールバス」として使ったことにあります。
  目はWebCAM、ハンドルとスロットルを制御するためのマイクロLinuxマシンをLANを介してバブで接続、ハブからWifiの基地局につな ぎ、基地局同士をWiFiで接続、インターネットにそのままつなぐことによって「走るLAN」を実現したことでした。現在各社から提案されている 自動車のLANはこれによく似たものです。
 CPUの負荷の大きい動画像伝送とリモートコントロールの制御系を分離し、自由にやり取りできるようにした結果、従来のすべてのデバイスをPCを 介して接続する方式に比較して高速の制御と高品質な動画像によるリモートコントロールが可能となりました。 この模型は、当時内閣総理大臣であった森喜朗らの主催したインターネット博覧会やCEATEC、Interopに出展され、インターネットを高速 化・大容量化してゆく次世代インターネット技術の方向性を示しました。